一般的に『消毒』というと、バイ菌を殺してきれいになった感覚を覚えると
思いますが、医療の現場で『消毒』と言うと、病気を引き起こすウィルスや
細菌の能力を減退させて病原性をなくすことであって、すべての微生物を
殺すことではないのです。
『消毒』に対して、病原性微生物を完全に殺滅するか生育不能な状態に
することを『滅菌』と言います。
医療現場では外科や歯科などは使用する器具の衛生性が大事になり、
『消毒』ではなく『滅菌』という概念が必要になります。
使い捨てができる器具・機材であれば患者さんに使用するたびに廃棄
処分することで、他の人への感染を防ぐことができますが、使い捨てが
できないものの場合には、再度使用するに当たっては『消毒』ではなく
『滅菌』処理ができているかどうかが、その歯科医院の感染対策の
レベルに直接影響するわけです。
自院では、今までオートクレーブといって
オートクレーブ(大型と小型)
のものを使用していました。
使い捨てができない器具の中には、高温にすると使用できなくなるか
劣化が早まるものも少なくありません。
そこで、高額ではありましたが以前より導入したいと考えていたガス
滅菌器を設置しました。
歯は命の源
このガス滅菌器で、ゴム製品やプラスティック類など熱に弱い器具の
繰り返し滅菌が可能になりました。
これで、使用するほぼすべての器具・機材の滅菌システムが構築
できました。
今まではオートクレーブで劣化が早かったものも長期間安定して
使用することができるようになりましたし、来院される方々にもより安心
して治療を受けていただくことができます。
歯科疾患の多くは、むし歯と歯周病などの感染症です。
中には肝炎やHIVなどウィルスによる疾患を抱えている方も来院します。
歯科医療に従事している我々が患者さまから病原性微生物をもらわない、
うつさないことは倫理的にもその厳格さが要求されると考えます。
民間の小さな一歯科医院にすぎませんが、我々ができる最大限の
努力は惜しまずにしていきたいと思います。
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